COMITIA141会場内企画

長年、実地版&カタログ誌上の「コミックワークショップ」でお世話になっている漫画家・belneさんの第25回文化庁メディア芸術祭功労賞受賞 を記念して、会場内企画を行いました。

<公開対談>

登壇:belne × 竹宮惠子 <オンライン出演>

司会:雑賀忠宏(開志専門職大学アニメ・マンガ学部 講師)
日時:2022年9月4日(日)13時30分~14時30分頃
場所:東京ビッグサイト東1ホール主催者事務室内(ガレリア側)
※企画内入場無料
<併催>
新潟とマンガとマンガ教育 belneのコミックワークショップ展
  • 新潟で開催された受賞記念展をCOMITIA141会場で1日限りの移設展示
  • 芸術祭審査員おざわゆきさんとbelneさんのリモート対談映像も上映
  • みんなでbelneさんにお祝いメッセージを描くコーナーも開設
  • 『belneのComicWorkShop総集編』も販売(東2ホール/コミティア本部横にて)

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公開対談

※動画の保存および二次配布を禁止します

belne プロフィール

1955年、東京都生まれ。1976年、秋田書店『別冊ビバプリンセス』秋季号『青春書簡』でマンガ家デビュー。1985年、自費出版の『蒼の男』が新書館から単行本化。2000年代に朝日新聞出版の『ネムキ』で『異端文書』を発表。2007年から天碕莞爾名義で山本航暉の『ゴッドハンド輝』(2001-11)の構成監修を担当。同年から京都精華大学マンガ学部の講師を14年間務め、SEIKAマンガ教育研究プロジェクトに参加、プロジェクトメンバーとして『マンガで読み解くマンガ教育』(阿吽社、2014)を共著。また2013年5月5日開催コミティア104「ながやす巧原画展・結晶」など、多くのマンガ展示をプロデュース。1995年コミティア34の『ティアズマガジン』から誌上コミックワークショップを連載。1998年より新潟コミティアで実施型コミックワークショップの講師を務める。2021年4月より開志専門職大学アニメ・マンガ学部教授。

第25回文化庁メディア芸術祭功労賞贈賞理由

日本のマンガ出版において、有望な新人作家を育てることは業界の今後を支える一大事業となっている。belne 氏は早くから新人育成に尽力して来た。新潟でのコミックワークショップは20年以上に及び、膨大な数の作品を時に厳しく的確にアドバイス・激奨した。京都精華大学マンガ学部講師時代には、ベテランマンガ家として創作活動に励む傍ら、常に若いマンガ家志望者のために奔走していた。その指導はネームのつくり方からコマ割りや構成、キャラクターづくりまで事細かく具体的でわかりやすい。氏は多くの新人に寄り添い、言葉をかけ悩みを共有してきた。マンガ界の礎のようなその功績を、感謝の気持ちを添えてたたえたい。(マンガ家・おざわゆき)

コミティア実行委員会代表・中村公彦よりの祝辞

私がbelneさんと初めて会ったのは40年前。前職のまんが情報誌『ぱふ』編集者時代のことでした。ライフワーク「BELNE'S LOVE」シリーズで同人活動を始めたbelneさんと即売会などで親しくお話をするようになり、次世代のマンガ描きを育てる情熱を語る内に『ぱふ』誌上で初心者向けの「やさしいマンガの作り方」という連載がスタート。そこからコミティアバージョンの「belneのコミックワークショップ」が生まれました。
実地版のコミックワークショップの基本は、自由参加の作家の作品講評とそれぞれの習熟レベルに応じたアドバイス。それは街場の剣術道場にも似て、道場主のbelneさんは初心者には優しく稽古の手ほどきする一方、血気盛んな道場破りは一太刀で打ち伏せ、より精進するよう諭す、達人の風格がありました。私自身も長年傍らでその様子をつぶさに見させてもらったのは、自分がマンガに向き合う姿勢を考える大きな礎となりました。
その後はマンガ家としての活動と並行して、マンガ専攻の大学(2007年~京都精華大学、2021年~開志専門職大学)から請われて講師となり、たくさんのマンガ描きの卵を手塩にかけて育てるのは、多くの方もご存知の通りです。
コミックワークショップのような場を作れたのは、belneさんという実作者であり指導者という稀有な存在があったから。そしてご自身もそこで多様な描き手と一対一で向き合いながら、自分なりの指導の在り方を磨いていったように思います。それが長じて今回の受賞に結び付いたのであれば、望外の喜びです。そして、私自身もその教え子の第一号(不肖ながら)だったのだとしみじみと感慨を覚えます。
あらためてbelneさん、文化庁メディア芸術祭功労賞受賞おめでとうございます!

(ティアズマガジンvol.140より)