梅原うめAPRICO*
- 職業…マンガ家
- 趣味…ドラマ鑑賞
- コミティア歴…コミティア102から
- https://bsky.app/profile/umekkmk.bsky.social
「百合」ジャンルで女性2人の恋愛や友情を超えた絆を描くマンガ家・梅原うめさん。キャラクターの生き生きとした心理描写と、恋愛に留まらない「関係性」を重視した作風が特徴だ。商業・二次創作の活動を行うかたわら、近年のコミティアでは毎回新作を発表。その多作ぶりは際立っている。
原点はマンガに囲まれた幼少期。「家族全員がマンガ好きでした。少年、少女向けの作品から青年マンガまで様々なジャンルの名作に触れて、『マンガってすごい!』と感じたのを覚えています」。また子供の頃、友人のお姉さんとやり取りしていた「イラスト交換」も強い印象を残した。「好きなキャラクターを手紙でお願いすると、返事でそのイラストを描いてくれるんです。人を喜ばせられる、絵の魅力を感じました」。周囲の環境に恵まれ、漠然とマンガ家の夢を抱いていったと言う。「キャラクター同士が関わることで生まれる『絆』が好きだったので、そういったマンガを自分も描きたい、と思っていました」
だが、しばらくは上手く一本の作品を描き上げることができなかった。そんな折、転機が訪れる。「友人の勧めで百合をテーマにした投稿企画に参加したんです。自分の描きたいように描けた感覚があって、作品の可能性が一気に広がりました」。その後は百合を自らの軸とし、12年に友人とサークル参加したコミティアで本格的に同人活動をスタート。数年後には商業誌への作品投稿を始め、16年には「コミック百合姫」(一迅社)で『ロク+イチ暮らし』を連載、実績を積み重ねていった。二次創作でも『アイドルマスターシンデレラガールズ』の「だりなつ(多田李衣菜と木村夏樹)」で10年以上活動を行っている。「今までに50冊以上同人誌を出しました。お陰で作画のスピードが上がりましたね」
コミティアに継続して参加するようになったのはコロナ禍中の22年から。夜のビアンバーを舞台にした『陽のみちる恋』上下巻を刊行し、Push&Reviewで紹介されるなど好評を博した。「自分のマンガを読んでくれる人に直接会えるし、自由に作品を発表できる場としても大切ですね」という言葉通り、多彩な舞台設定で新刊を出し続けている。特に『はるこのなか』(23年)と、高校生の初々しいカップルを描いた『おくびょうウサギはお互い様』(24年)は好一対をなす自信作だという。「前者では大人同士の複雑な感情を繊細に、後者ではまだ十分に世界を知らない無敵感を自由気ままに描けたと思います」。151で完結となる3巻を発行した『さんかくに似ている』は、互いに想いを向け合う三人の関係がテーマ。愛情と友情の境界を探る意欲作となった。
「『特別な関係』は、必ずしも恋愛でなくて良いと思っています」と語る梅原さん。「王道の百合で無くても、好きと言ってくださる読者の方がいることにとても感謝しています。画力や表現力を磨き、作品の幅をより広げていきたいです」。百合を追求して生まれる新たな世界から、今後も目が離せない。
原点はマンガに囲まれた幼少期。「家族全員がマンガ好きでした。少年、少女向けの作品から青年マンガまで様々なジャンルの名作に触れて、『マンガってすごい!』と感じたのを覚えています」。また子供の頃、友人のお姉さんとやり取りしていた「イラスト交換」も強い印象を残した。「好きなキャラクターを手紙でお願いすると、返事でそのイラストを描いてくれるんです。人を喜ばせられる、絵の魅力を感じました」。周囲の環境に恵まれ、漠然とマンガ家の夢を抱いていったと言う。「キャラクター同士が関わることで生まれる『絆』が好きだったので、そういったマンガを自分も描きたい、と思っていました」
だが、しばらくは上手く一本の作品を描き上げることができなかった。そんな折、転機が訪れる。「友人の勧めで百合をテーマにした投稿企画に参加したんです。自分の描きたいように描けた感覚があって、作品の可能性が一気に広がりました」。その後は百合を自らの軸とし、12年に友人とサークル参加したコミティアで本格的に同人活動をスタート。数年後には商業誌への作品投稿を始め、16年には「コミック百合姫」(一迅社)で『ロク+イチ暮らし』を連載、実績を積み重ねていった。二次創作でも『アイドルマスターシンデレラガールズ』の「だりなつ(多田李衣菜と木村夏樹)」で10年以上活動を行っている。「今までに50冊以上同人誌を出しました。お陰で作画のスピードが上がりましたね」
コミティアに継続して参加するようになったのはコロナ禍中の22年から。夜のビアンバーを舞台にした『陽のみちる恋』上下巻を刊行し、Push&Reviewで紹介されるなど好評を博した。「自分のマンガを読んでくれる人に直接会えるし、自由に作品を発表できる場としても大切ですね」という言葉通り、多彩な舞台設定で新刊を出し続けている。特に『はるこのなか』(23年)と、高校生の初々しいカップルを描いた『おくびょうウサギはお互い様』(24年)は好一対をなす自信作だという。「前者では大人同士の複雑な感情を繊細に、後者ではまだ十分に世界を知らない無敵感を自由気ままに描けたと思います」。151で完結となる3巻を発行した『さんかくに似ている』は、互いに想いを向け合う三人の関係がテーマ。愛情と友情の境界を探る意欲作となった。
「『特別な関係』は、必ずしも恋愛でなくて良いと思っています」と語る梅原さん。「王道の百合で無くても、好きと言ってくださる読者の方がいることにとても感謝しています。画力や表現力を磨き、作品の幅をより広げていきたいです」。百合を追求して生まれる新たな世界から、今後も目が離せない。
TEXT / HEKIRU KURAKAKE ティアズマガジン152に収録