COMITIA80 ごあいさつ

初の2ホール拡大版コミティアへようこそ。

こんにちは、もしくははじめまして、初のビッグサイト2ホール体制のコミティアへようこそ。
のっけから正直に告白すると、この5月のコミティアの2ホール開催は、まさに清水の舞台から飛び降りる覚悟の大チャレンジでした。
これまでも初期の小さな会館から、都立産業貿易センター→東京流通センター→東京ビッグサイトとキャパシティが溢れるたびに、少しづつ大きな会場に移ってきましたが、ビッグサイトの2ホール分となると増える面積もいきなりケタ違い。その空間を埋めるだけのサークルが集まるかどうか、プレッシャーはそら恐ろしいものがありました。
「3000サークル募集!」とは謳ったものの、「2500来てくれたら万々歳だけど、あり得ないよね。2000超えなければ失敗。リアルな目標は2300サークルだね」などとスタッフの間では話していたものです。
告知活動として通常の2倍のチラシを配布し、例年6月に過去1年分の参加サークルへ送る申込書セットも前倒しで5月分に合わせ、新しいサークルさんや古馴染みのサークルさんをお誘いしたりと、スタッフ総掛かりでこの日のために頑張りました。
サークルさんからの申し出をきっかけに合同企画が立ち上がったのもその一つ。結果「歴史」「豆本」「メガネ部」「メイド部」、と直前に「もじ部」が加わり、5つのサークル主導の合同企画が生まれました。中でもコミティアスタッフ有志発案の「メガネ部」はなんと申込161サークルと、それだけで十分オンリーイベントが開ける規模となりました。こうしてサークルさんとの協力体制がとれるのもコミティアの良いところでしょう。
そして、講談社モーニング×アフタヌーン×イブニング祭、村田蓮爾Collection「fa-rm」展、出張ノベルス編集部イラスト持込受付、「米沢嘉博を語る」公開トークライブ(詳細はTOPページ参照)と、ひとつでも充分柱となる企画を4つも取り揃え、ともかくいまのコミティアができる最大限の準備をして、申込の〆切日を待ちました。
ふたを開けてみると総申込数2627サークル(2752スペース)! 通常の1・5倍と、予想を遥かに上回る参加申込をいただき、本当に安堵したというか、逆に慣れないことでオロオロしてしまうような、ヘンな状況に陥っています。
振り返ると拡大開催を決めたのは約1年前。今回の裏?テーマは「限界に挑戦する」ことだったのかもしれません。必死で準備した結果が報われたのは何よりとても嬉しいことです。
今回の規模はコミティアにとって今までに経験したことのないスケールです。申込数が予測できなかったように当日の雰囲気もまた想像がつきません。参加サークルや一般来場者が増えるのは、つまり今回初めてコミティアに来る人が増えるということ。彼らがコミティアにどんな印象を持つのか。そしてこれまでコミティアを支えてくれた常連サークルや一般参加の方たちは、新しい参加者をどのように受け止め、迎えてくれるのか。当日に向けて本当にドキドキしています。でも、それはやはり嬉しいドキドキですね。これもまたイベントの醍醐味なのだと思います。

ここで少し話題を変えます。コミティアと同様に、同人誌の世界全体でも地殻変動が起こりつつある予兆を感じます。
最近、税金問題や著作権がらみなどで「同人誌」がニュースで扱われることが重なりました。折りしも昨年、警察庁関連の「バーチャル社会のもたらす弊害から子供を守る研究会」から出された報告書には、「同人誌」という単語が当たり前のように使われ、その表現内容に懸念が表明されています。
「同人誌」がかつて辞書に書かれた意味ではなく、アキバ系、腐女子などのキーワードと共に流通し、世間的にはとうに認知が進んだ昨今、以前は「よく分からないもの」として排斥されたのが、いまは「実情が暴かれた」上で批判される時代になりました。
そんな状況に、コミティアも含めた同人誌の世界全体で対応を考えねばならない危機感を感じます。そこでコミティアも幹事役を務める全国同人誌即売会連絡会、COMIC1準備会、日本同人誌印刷業組合が後援する形で、5月19日に「同人誌と表現を考えるシンポジウム」が開催されることになりました。
これを読まれている人の中には、自分には直接関係がないという方も多いと思いますが、何より現状に少しでも多くの方に関心を持ってもらうことが肝要です。多くの方の来場をお待ちしています。

再度話を戻して、最後になりますが今日は本当に本当に多くのサークルの方に参加してもらっています。おかげでサークル内スペースは少し広げられたものの、通路幅の方はいつも通りの間隔です。窮屈に感じられるかもしれませんが、どうかご容赦ください。
今回の拡大開催はコミティアにとって大きなターニングポイントになる気がします。そして少しでも多くの方にこの「奇跡のような一日」を体験してもらいたいと心から願っています。

2007年5月5日 コミティア実行委員会代表 中村公彦

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