COMITIA92 アフターレポート

青葉の頃、皆さんいかがお過ごしでしょうか。さる5月4日に行なわれたコミティア92拡大Specialのアフターレポートをお送りします。

今回の申込は昨年の5月を更に上回る3312サークル。おかげ様で天候にも恵まれ、一般参加者も激増しました。ここ2年程は右肩上がりで総来場者が増えており、今年より11月も拡大開催が決定です。出来るだけ多くのサークルに落選の心配なく参加してもらいたいと思っています。

さて、例年5月は会場内企画が多いのですが、今年はスペースに余裕がなく、出張編集部拡大版は昨年同様の規模で行ったものの、それ以外は東2ホールの主催者事務室を利用したトークショーを開催。

1コマ目は、ストーリー作りに重点をおくマンガ教室「いるか M.B.A.」の講師・田中裕久氏の「物語の濃度を上げるためのトレーニング」。マンガの構造をたこ焼屋に例えるなどのユニークな視点で、約70人の参加者が熱心に耳を傾けました。

2コマ目は、「伝説のマンガ雑誌『COM』を語る〜休刊39年目の座談会」。 手塚治虫が創刊し、後のマンガ界を担う作家を多数輩出した同誌は、その休刊を惜しむ声が最終的にはコミックマーケットを産んだという、マンガの歴史の「ミッシングリンク」だったのかもしれません。往時のマンガ家や編集者、そして読者達が集まった満員の会場は、同人誌即売会会場とは信じられないほど平均年齢が高く、コミケット初代代表の霜月たかなか氏の司会で、熱いトークが繰り広げられました。当初発表の真崎守、みやわき心太郎、矢代まさこの御三方に加え、飛び入りで執筆者だったちばてつやさんも参加。ギャラリーには秋本治氏、しりあがり寿氏の姿も見られました。

この他の企画では、最近全国で増えているマンガ学科のある大学のアピールコーナー。そして『ROAD TO COMITIA100』としてお蔵出しのコミティアチラシのバックナンバー配布なども花を添えました。

サークルの自主企画では、「まんが屋部」「歴史部」「とり部」「人外部」「制服部」「女子GL部」「ショタ部」「平成部」の8部活動が登場。スタンプラリーや展示などそれぞれのアイデアで盛り上がります。また、拡大開催ならでは展示サークルゾーンも例年通りにぎやかに会場中央に出現。工夫を凝らした見応えのある展示がずらりと並びました。

相変わらず企画満載の拡大開催でしたが、サークルアンケートを読んでいると「人が多かった!」「でも運営がスムーズで、ゆとりがあった」と評価してくれる声が圧倒的。嬉しい手応えでした。

ひとつ気になったのが、前日設営の協力者が約40人と昨年の約半分に減ったこと。これはここ2回、会場の都合でスタッフのみの深夜設営になり、一般協力者の募集が途絶えたことが大きな原因と思いますが、やはり「みんなで作るコミティア」という姿勢を大事にして、また多くの人に集まってもらえるように呼びかけてゆきたいと思います。どうぞご協力をお願いします。

ということで完全に定着した5月の拡大コミティア。今後の拡大傾向に向けてこの形を一つの基盤にしてゆかねばなりません。よりたくさんの人にコミティアを知ってもらい、更に楽しんでもらえるように、みなさんの積極的な参加をお待ちしています。

コミティア実行委員会代表 中村公彦

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