COMITIA75 アフターレポート

水温む頃になりました。皆さんいかがお過ごしでしょうか。さる2月19日に行なわれたコミティア75のアフターレポートをお送りします。
今回は2月の開催ということで、やはり寒さが堪える一日となりました。サークルアンケートにも「場内が寒かった」の声が多数。現状では午後の早い時間に、宅配業者の荷物の運び出しのために後方のシャッターを開放せざるを得ず、当然会場内に冷気が吹き抜けます。もとより空調も無意味で、特にシャッター付近のサークルはたいへん辛かったと思います。かと言ってシャッターの開放を遅くすると、宅配の受付が混んで大行列になる怖れがあり、これまた問題。なんとも悩ましいところです。
一番現実的な対応は、サークルスペースを削って宅配の荷物置き場を作ることですが、会場のキャパシティが溢れて、そろそろ抽選になりそうな時期だけに難しい判断になります。過去の記録を調べても、当日の外気温次第で過ごしやすかった回もあり、こればっかりはその日にならないと判らないのがイベントの宿命。基本的には例年2月に起こる問題として、宅配業者との協議も含めて、来年の課題とさせていただきます。
もう一つの2月恒例はガレージキットイベント・ワンダーフェスティバルとの同日開催。本と立体物の違いはあれ、イベントの指向も似ているところもあって、「一緒だから困る」「一緒で助かる」と正反対の意見が寄せられています。来場者の増え具合を見ると相乗効果も確かに見られるようです。どちらにせよ、こうした開催日程は会場側から提示されて、他の選択肢は無いのが実情。どうかご容赦をお願いします。
会場内企画は「出張マンガ編集部」。おかげ様で内外共に人気企画となり、出版社からも多数の出展希望をいただくのですが、前回はブース数が多すぎて人気に偏りが出たため、今回は意図的に出展数を制限しました。おかげで万遍なく終日賑わいが見られた様子です。
今回のティアズマガジンでも「編集王に訊く」のコーナーが人気。持込も、プロならではの視点には違った発見があって参考になるという声が多く寄せられました。どちらの発表媒体を選ぶ(目指す)かは個々の判断ですが、こうした接点があることが描き手にとっての刺激になるのは確かだと思います。今後もコミティアならではの企画として続けてゆきますので、どうぞ一度利用してみて下さい。
なお、今回のコミティアを書籍情報誌『ダ・ヴィンチ』(メディアファクトリー刊)が取材してゆきました。漫画評論家の呉智英氏が来場し、氏が初めて同人誌即売会に行く、という企画でカラー4Pの特集になるようです。4月売りの号だそうですのでぜひ見てみてください。
現状でのコミティアの弱みは、折角多くの才能が集まっているのに世間的な知名度が低いこと。もっと多くの人にコミティアの存在を知ってもらい、会場まで足を運ぶ一般参加者に増えて欲しい。そうすればさらに多くの描き手と読み手の出会いが生まれるのに、といつも考えます。コアな読者を持つ『ダ・ヴィンチ』誌の記事がその一助になってくれれば嬉しいのですが。
才能は発見されて輝くもの。そのリアルな手応えこそが、一日限りの祝祭である即売会の醍醐味だと思います。また、次回コミティアの会場で会えることを楽しみにしています。

コミティア実行委員会代表 中村公彦
(広報ティアズより)

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