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 「コミティア30thクロニクル」応援企画として、掲載作品のPush&Review(感想・紹介文、イラストコメント)を2015年3~5月に募集いたしました。全74作品に対して文章88件、イラスト51件の合計139件というたくさんの投稿がありました。お寄せいただいた皆さま、本当にありがとうございます!!
 いただいた投稿はすべて本特設サイトに掲載いたしました。クロニクル掲載作家の方々からもたくさんの投稿をいただいております。熱いコメントとイラストの数々を、ぜひじっくりご覧ください!


●山口県の田舎大学で漫研をやっていた僕たちが通販で買わせて頂いた作品。同人誌で此処までのクオリティに行けることに驚き、熱くなった事を思い出します。この本に憧れてコミティアへ行き、色々な事が始まった、僕の青春の一冊。改めて読み返し、あの時の熱を静かに思う。(福岡県・南研一)


(?・青木俊直)


●魔女達が災害から人間を守る世界。魔女の一人ナツオ様と少年の交流が描かれる。魔女狩りの過去、人間の態度、彗星の落下を防ぐことでまもなく消滅する未来。気まぐれで飄々としたナツオ様の楽しい姿と魔女を取り巻く現実の明暗が際立つ。彼女の笑顔の意味を考えさせられた。(埼玉県・迷走中)

●ごく普通の男子中学生と、人を守る事を使命とした魔女のふれあいの物語。恋愛でも友情でもない中学生と魔女の関係、人間の喜怒哀楽、魔女の歴史、様々な要素が絡まり合います。読み終わったあと、愛しいような哀しいような味わった事の無い感情の余韻が残る作品です。(東京都・ミユキ)

(東京都・ココノツ)

(岡山県・空羽藍生)


●女性二人の10年以上続いた関係の終焉を描いた物語。理想的な存在と思われたむつきちゃんが、トラウマを引きずり続ける余り、自己矛盾した行動にも全く無自覚という内面的弱さを見せるシーンが印象深い。人間関係の複雑さ、難しさをシャープに描き出した作品だと思う。(東京都・KN)


(兵庫県・あまもりしん)

(京都府・水谷フーカ)


●使い竜にのって山奥に住む人達に手紙を届ける郵便配達見習いマリルの、売れない作家エドへの淡い恋心の物語…エドの成功を祈り励ましながらも、成功して遠くに行って欲しくない。そんな揺れ動く心で描かれた表情が本当に可愛くて…。いるも晴章さんの短編はほっとできて可愛らしい物語にいつも出会えて素敵です。(東京都・道男)


●世界観やキャラクターの出自など、細かな設定をベースに敷きつつ、ドジっ娘メイドの魅力を広めんとする作者の心意気が素晴らしい。後々の作品にも多く見られるファンタジックな要素も随所に見られ、不思議な既視感を感じる点も面白い。こんなメイドさんが傍に欲しい!(神奈川県・くさ)


●ナカムー、団長等様々な呼称のあったコミティア代表、中村氏の別称を統一した所謂”きみぴこ漫画”。それまではあまり表面に出る事のなかった氏のそのキャラ立ちに注目し”きみぴこ”は以後公式グッズ等様々な形で我々の前に登場した。コミティア規模拡大の一助を担った以上の記念碑的作品。(東京都・君は飛行艇)

●30年間の”コミティア時空”を、分厚いとはいえ、たった3冊の単行本に収めるという驚異の企画を実現させたのは、いったいどんな人なのか?・・・その答えは、この作品の中に。さらに、全3冊2,000ページ弱のあらゆる紙面に、その人の想いがこめられているのを感じます。ずしんと重いっ!!(神奈川県・喜多丈)


●イベント参加で胸ときめく本に出会い、自分も同人誌を作りたいと思った経験のある人は少なくないのでは。主人公も然り。意外な相談相手(母)に背中をグイグイ押され、気付けば同人誌デビュー。的確すぎるアドバイスはただ笑えるだけでなく、ちょっとドキリとさせられます。(埼玉県・煤)

●拝啓 母上様 あなたは、同人誌を作って誰かに読んでもらいたいと願う娘さんをあたたかく指導していましたね。なぜ本を作りたいのか、なぜ絵を上手くしたいのか何度も娘さんに問い、気づかせていました。現実を知らぬ娘さんへの手厳しくも的確なつっこみに、私もかなりのダメージを受けました。これからのあなたは、娘さんにとって母ではなく同人活動の先輩です。末長く彼女を生暖かく見守ってあげてください。 敬具(埼玉県・赤西瓜)


●心に浮かんだ言葉を、瑞々しいままに、丁寧にコマに載せたような作品。やりたいことを追う喜びと恐れをキャラクターと言葉につまっていて心を打たれます。作品に詰め込まれた真心と少しのユーモアが、最後には読んでいる自分の心にも暖かいものと、勇気を残してくれる…大好きな短編です。あらゐけいいちさん、お見事!(何様)(東京都・道男)


●急に出てくる悪役、急に自分がヒーローに抜擢、特に前フリはないけど急な変身。いわゆるヒーローものの第一話をみたような話の運びがテンポがよくて印象的でした。変身したら主人公の男の子がなんの説明もなく女の子になっているところも好きです! ヒーローにはDTしかなれないというのも嬉しいポイントだなと思いました。ヒーローには清純さが必要ですもんね。(東京都・かもたん)


●唐突に死神から「あなたの寿命はあと100コマです」と宣告された主人公の桃子。友人達と何気ない会話をしている間にも寿命はどんどん縮んでいき…。前衛的な内容だが絵柄やキャラクターが可愛らしく読みやすい。斬新なストーリーに驚き、そして衝撃的なラストに驚愕した。(東京都・らすく)

(東京都・西沢一岐)

(愛知県・こーわ)


●カラオケの歌本につまった歌の重みで、叩かれたら死んでしまう。このシュールで独特の説得力をもったふわっとした世界。素晴らしい。言葉のセンスも発想も楽しくて癖になる。もっとこんな短編を読みたい!(奈良県・おか)

●可愛い絵柄、硬く冷たい描線、詩のようなモノローグ、浮遊感の漂う余白の使い方…私は一発で山名さんのファンになった。新作を読む度、この漫画の男の子のように、頭をどつかれるような衝撃を受けては、蘇っていたものだったなあ。(東京都・セオナツヨ)

(東京都・水寺葛)


●もう30年ほど前のこと。同人誌即売会に参加するようになって、最初にゆっくりお話しさせていただいたプロの漫画家がBELNEさんです。当時から今と変わらない、BELNEさんの熱い漫画魂に、すっかり参ってしまったのでした。その後、私のやっていた同人誌『がらん』に作品を寄稿していただいたり、BELNEさん主宰の同人誌『KIZ』に毎号漫画を描かせていただいたりと、同士的なおつきあいをさせていただきました。「同じ本にいっしょに載るのだから恥ずかしいものは描けない」という緊張感は大変なものです。今回久しぶりに『シマウマにはシマがある』を再読して、懐かしいと同時に、身の引き締まる思いがしました。(東京都・山川直人)

(東京都・ココノツ)


●美大片思い物語の一編。似顔絵バイトのエピソードから、高橋の器用で要領の良い所と、その器用さで自分の感情を詰まらせてしまっているのが痛いほど伝わって来る。出口を設けない辛さと、その中で訪れた刹那の幸せが切ない。(奈良県・おか)


●重い読後感です。昔、マンガを書いていた時に似た傾向のマンガを志向してましたが、この作家さんに出会い、作画、深み共に自分はこの地点までは到達出来無いと思いました。現在はプロとして大活躍されていますが、幅の広さ、ポテンシャルが伺える作品です。(福岡県・南研一)

(神奈川県・なかせよしみ)


●器械さんは、洋ゲー的な猟奇要素と日本的な女児萌え要素が融合した作風で「同人誌ならでは!」の尖った短編をたくさん発表されてきました。作品ごとに年齢制限を変えたり、試行錯誤を続けていて、ずっと目が離せない存在です。本編はコメディ色が濃い分、猟奇色が抑えめですが、それだけに現在の商業誌での活躍に繋がる作品だと思います。不穏な何かを感じた人は、きっと他の作品も刺さるはずです。(埼玉県・ya53)


●他人となじめず読書ばかりのリーザの言動が、自分の強がりと重なりました。ひとりよがりはよくないことはわかってるけど、自分を変えるのは難しい。そこを見透かされたようで、読んでてちょっと辛かったです。でも、最後はリーザに勇気をもらいました。私も一歩踏み出したい。(埼玉県・川田)


●童話の「赤ずきん」をベースにしながら独自にアレンジされたストーリーは、水谷作品の中でも一際、異彩を放っていると思う。何とか赤ずきんを救おうと躍起になる新入りおおかみの姿を見るにつれ、正義感だけでは他人を救えないこの世のもどかしさを痛感させられる。(東京都・米山皐月)


●小学生の女の子にエロマンガを描かせるなんて超下ネタなのに、ゆるくてかわいいギャグにできちゃうkashimirさんのセンスは唯一無二ですよね。商業誌で4コマとショートギャグの長期連載を続けるなかで、完成度が高い意欲作がいきなり同人誌で出たのはうれしい驚きでした。(埼玉県・ya53)


●注意:深夜に読むのは止めましょう。お腹が空いても何もできない状況にもだえ苦しむ事になります。ただのインスタントラーメンがものすごいご馳走に見える不思議。「食」の喜び、ただそれだけをこれ以上なくストレートにハイクオリティで描ききるシリーズ。(東京都・樹庵)


(東京都・ココノツ)


●九井諒子を知ったのは「Fellows!」誌上。竜にまつわる短篇がとてもおもしろくて、この作家は誰だろうと調べたら、コミティア出身だった。30年間途切れず一定数の若い才能が「ついここを目がけて作品を発表し続けてしまう求心力」って何。コミティア恐るべし。(東京都・素甘)

(東京都・高野雀)


●初めてこの作品を読んで衝撃を受けました。仲間と目的に対して一丸となる物語。但し目指す場所はあるのか判らない。物語の中で「それは存在しない」と示唆されても、それこそ「判っている」と。自分もあの時、確かに、何かに向かって居た事を思い出しました。(千葉県・高狩高志)

(東京都・ウチヤマユージ)


●高校生活最後の日。ずっと意地悪をされていた同級生ひさゆきから、黒板越しの告白を受ける湿花(しっか)。数々の苦い思い出を振り返りながら、彼女が決行する彼への「仕返し」とは…。無音のフィルムのようなラストシーンと、ヒロインの泣き顔が胸に迫ります。(千葉県・ピーナッツ書房)

●友人のひさゆきくんから突然告白された湿花。しかし、湿花は過去に彼から数々のいじわる(?)をうけていたのだった! 駆け抜けるような疾走感、コミカルなギャグ、そして青春の甘酸っぱさが短いストーリーの中にぎゅっと詰まっている。読み終えたあとにスッと前を向ける。(東京都・らすく)


●美味しい料理の隠し味は愛情、なんて言いますが、そんな優しさを感じる一冊。カレーの作り方を一から紹介しながら、友人と会話を弾ませるみこちゃんが微笑ましい。楽しい料理の時間は普段言えないことも言えてしまうのです。読後、カレーが食べたくなること間違いなし。(埼玉県・新人2号)

●軽やかな筆致で描かれる友情と、それ以上の何か。あと同時に、カレーの作り方。力を抜いて読める漫画は、描いている側も力を抜いてると想像してしまうが、伝わるように描ききるのはやっぱり大変なこと。カレーのように色々な想いが詰まった面白い漫画が目の前に広がっているのだから、出されたこっちは美味しくいただくのが流儀と呼ぶもの。(東京都・アイアス)


●田中相の初短編集を読んで、即座にフード作家だと感じた。いままでのカバー絵全部に食べ物(特に果物)が描き込んであるし。最新刊はおにぎり。同人時代の女子高生描写がパワーアップして帰ってきたぜ感は、きっとコミティア時代を知るファンには胸熱だと思う。(東京都・福田里香)

(東京都・釣巻和)


●かわいい顔してやることえぐい、献血ちゃんは自分の職務を今日も忠実に全うする。献血のためなら流血も厭わない。血液を笑うやつは血祭りだ。自らも血涙を流しながら無関心な冷血漢どもに血の大切さを熱血指導。でもそんなに頭に血を上らせると血管切れて倒れるよ。(神奈川県・ここり)


●乳! ふともも! お色気! 中二じゃない(そんな言葉当時は無かった)スカしたヒーロー! 難しい事何も考えなくていいエンターテイメントここにあり。パースとかアングルとか、言われてみればいかにも今石監督でマニア視点でも興味深い。漫画からアニメって、こういう道もあるんですね。人に歴史あり。(東京都・樹庵)


●ゲーム制作会社でありながら高校の部活という設定で、ゲームを作るために青春を賭ける部員たちを描くスラップスティック。ゲームマニアである作者の拘りが細部に行き届いた、ファミコン世代に特に読んで欲しい作品です。もともと商業誌の掲載を目指して考えられたもののボツ作で、確かに粗いところは多いように思います。ただ、その粗さが本作のパワフルな魅力の元であることは間違いなく、加点式であれば高評価になる典型例でしょう。こうした作品が発表され、出会えるのが同人誌の魅力の1つだと改めて感じさせてくれます。(神奈川県・kokkuri)

(東京都・ココノツ)


(千葉県・Luemo)


●「ワンパンマン」「モブサイコ100」等で活躍する漫画家・ONEさんが、ネットを通じて知り合った仲間たちと発行している合同誌『超合金黒光』シリーズからの1本。7ページの掌編ながら、疾走感のあるテンポの良いネーム、webコミック出身の氏ならではの画面作りなど、マンガの楽しさがどこから生まれるのかを考えるヒントになるような小粋な作品だ。(東京都・ヨシダ)


●漫画家を目指す若者たちの共同生活。主人公はどこまで、どの程度、どんな風に著者なのか。そのあたり同人誌で発表されているからこそ、よけいスリリングだし、描かれている葛藤・焦燥・喜びその他の感情にもいっそう強い説得力が生まれているように思います。さらにこのシリーズ「地獄…おちそめし野郎ども…」の別の一編では、日常のなかの、ごく軽い調子だけれど根の深い人種差別発言に心がささくれだつ瞬間を切り取っていたりもして。意識の流れを自在に表現する圧倒的絵心に加えて、とても現代的な知性と優しさが垣間見られるから、主人公に声援を送らずにはいられないのです。(東京都・野中モモ)


●単行本「足摺り水族館」を読んで「うおぅ」と十数年ぶりの衝撃を受けた作家さん。なぜピザまんなのか新宿なのか虎なのか、感想書こうにも文章で表現困難なイメージが満載なので読んで感じてくれというのが一番な感じ。建造物の描線が非常に好みです。(埼玉県・粟岳高弘)

●主人公は、新宿のどこかにある「変わったピザまんを食べたい」という依頼を受け観光案内所を訪ねる。そこでガイドとして紹介された謎の生物と、新宿の地下を探索することに。不気味なのに、どこか懐かしく好奇心をくすぐられる新宿の地下、あなたも一緒に旅してみませんか?(東京都・山田)

●自分が初めて行ったコミティアで買った同人誌にpanpanyaさんの漫画が載っていました。自分はその同人誌をきっかけに、コミティアに興味を持ちました。その事につねづね感謝していますので、おすすめです。(東京都・西村ツチカ)

(埼玉県・八木ナガハル)

(千葉県・大塚まひろ)


●「乳」に関する歴史やデータを可愛らしい制服女子のイラストと共に紹介した本。作者の乳・制服女子・ふとももに対する溢れんばかりの情熱がひしひしと伝わってくる。とっても可愛くちょっとエッチな制服女子のイラストと乳に関する深い教養が同時に手に入る素晴らしい一冊。(東京都・らすく)

(?・おーみや)

(神奈川県・高田ゆうき)


●広い宇宙に点在する星の昆虫が、何故か同じ姿をしていた事実。植民船が持ち込んだ? 収斂進化? いやいやそれどころではない。作者が繰り出す奇想とそこから導かれるスケールの大きな展開が、これぞSFという醍醐味を味あわせてくれました。(神奈川県・近藤小狸)

(東京都・今井哲也)


●生物か機械か、無機物か有機物か、硬いのか軟らかいのか…懐かしさのある田舎の田園風景に、謎の物体がふよふよと浮かぶ気色悪さと強烈なファンタジー感。そしてその物体がうねうねと身をよじりまとわり付いてくる光景のキモさと言ったら。まとわり付かれるのはスク水少女。時々全裸。しかも野外で。フェチズムとファンタジーの明け透けな融合が妙な感覚をかもし出して癖になりそうです。(東京都・樹庵)


●サークル「インターホン」初期の名作にして問題作。インターネットの投稿動画をモチーフに、出演する女の子たちが「食べてみた」様子を描いてます。注目を集めるために過激化する放送の行き着く先は…。ハトポポコさんが得意とするシニカルでブラックすぎるギャグを存分に味わえます。(神奈川県・国里)


●普段手に取るタイプの雰囲気ではないのですが、いつの間にか惹きつけられていました。最後あのコが滑りこむシーンでは不思議と熱い気持ちになってました! 簡単にイイ話にしないあたりもとても好きです!(?・bar図書室店主のん)

●とある女子校のクラスをEUに、生徒を加盟国になぞらえて展開するひと時の物語。こんな設定を思いつくだけで面白くならないわけはないのに、それを短編にしてしまう。シリーズ化して長く続けることも可能なのに、ここでその設定と25名ものキャラクターを使い切る。なんとも贅沢な掌編。(東京都・アイアス)

(東京都・水あさと)

(埼玉県・八木ナガハル)


●スケッチが趣味の働き者・サムは何があっても絶対に動かない警備兵・ウォルトのことが気になっていた。そんな時、戦争が始まって…。作中で2人はほとんど言葉を交わしません。けれどこのお話いっぱいに、2人の想いが散りばめられていました。涙なしには読めない作品です。(埼玉県・御崎)

●抒情的に描かれた物語はまるで絵本のよう。絵柄からして異国的な情緒にあふれているのに、どこか懐かしく思えるのはそれがきっと誰しもの幼少期の原風景につながっているから。こんなすごい作品があったなんて、こんなすごい作家がいたなんて。ページの間から、ともすると詩情がこぼれ落ちてきそうな一篇。(東京都・アイアス)


●自宅アパート屋上で菜園を作っていたのは、座敷童子改め屋敷童子。解体の許可を童子に伺いを立てる仕事に就く主人公の青年。ある日自宅も対象となり。人の温もりを知ってしまった彼女との板挟みに。彼女の気持ちに応えるべく奔走した彼が出した結論はとても素敵でした。(東京都・再会発)


●尾津さんは雨の日に傘をさしたことがない。一人で傘をさせば途端に晴れてしまう。そんな彼女にクラスメイトの高田くんは――。他愛のない会話から急転直下に二人の距離が近づく、すこし・ふしぎなボーイミーツガールストーリー。作者のエッセンスが詰まった作品である。(大阪府・あまいも)


●なんとも気持ちが重くなる漫画である。最初に読んだのは自分がサークル参加していた20年近く前。これが実体験に基づくと知ってさらに衝撃を受けた。言いようのない救いのない世界。その知識はあったが、そこへ飛び込んでしまうとは、なんと凄い奴がいるものだと。コミティアで同人誌出してるような軟弱集団の中に、そんな奴が混ざってることに、びびった。よく此れを描いたなという以外、何を言っていいのかわからない。それは20年後に読んでも、やはりそれ以外の言葉が出てこないのである。(兵庫県・平岡也朋)


●戦時中捕虜になり堕落した生活をしていたフランス兵達が、目の前に愛らしい貴婦人がいたらと想像し始める。女性を意識して変化する男達を見て笑ってしまうが、収容所という特殊な環境で、彼らは心の拠り所を求めていたのだろう。実話を元にした心温まる物語。(神奈川県・わたり羽衣)

(神奈川県・三島芳治)

(新潟県・うめ)


●とある家族は車の中で練炭による一家心中を図ろうとしていた。睡眠薬を飲んで死を待っていたが、飲んだのは便秘薬だった…。あらゆる意味でのたうち回る家族の様子は滑稽で、人生の悲哀に溢れている。感動から突き落とす終盤の展開には絶句。最後まで目が離せない。(神奈川県・わたり羽衣)

●画の実力といい、話の展開の凄まじさといい、作者が女性であることといい、どう転んでも「最高傑作」です。F・ブラウンの「多元宇宙ものの古典的名作」と伝えられる「発狂した宇宙」をハヤカワの銀背で、50年近く、何度も何度も読み返してきた私としては、この不幸(?)な三人家族が最後に辿りついた世界は、タケルくんの脳内にあった「パラレルワールド」に違いなく、したがって三人は決して死んではおらず、この世界で、新たな第一歩を雄雄しく踏み出していくに違いない、と結論づけてしまっております。しかしパラレル宇宙に転移するには、カローラの爆発だけでは、少々エネルギー不足なのではないかしら、とも思います。いずれにせよ、これは私の勝手な「憶測」なので、作者 今純子さんには「全然見当ちがいデス!」と叱られるかもしれません。そうならゴメンナサイ。作者が「発狂した宇宙」を読んでいるのかいないのか、判らないので変な読後感になってしまいました。深謝。(東京都・みなもと太郎)


●これは、日常会話でとてもじゃないが軽々しく口にできないある単語を親しみやすくしようと励む男達のドキュメンタリーである。と言うと大げさだが、出てくる大人はみな真剣で熱い。知恵をつくし、互いの発想を称えあう彼らの様に笑うとともに謎の微笑ましさを感じてしまう。しかし「おぱんぽん」推進運動の金の使い道が気になる。(愛知県・あまた節)


●女子高校生のひなとあいりの日常を4つの季節に分け、テンポ良く描いた作品。「あ? 確かに女子高校生ってこんな感じだったわ」とすんなり入り込めてしまうほどのリアルさがある。ダークな部分を交えながらも暗い気持ちにはさせない読み応えが乙だ。(埼玉県・美咲)

●強い形式の元に描かれているマンガだと思います。四季それぞれについた4つのインデックスは今いる場所と確実に辿り着く終わりを示しているし、見開き8コマという構成は「オチ」のようなものを要求しそうなのだけど、ここで描かれている二人のポーズや構図への拘りはそう安々とオチや結末を迎え入れさせないように思えます。一方で陰鬱な出来事が起こってもそれで終わりじゃなくて生き続けようとする強さは、形式の持つ力からも来ているように思えるのです。(神奈川県・k)

●女子高生同士がただダベッているだけなのに、どこかユーモラスで面白い。ふつう読み返すと新鮮味は薄れていくものだけど、この漫画にそれは当てはまらない。しまいには扉絵を見るだけで笑えてくるから不思議。(東京都・アイアス)

●一読してビックリ、つーか深く「感銘」してしまい、うろたえてamazonを検索、単行本「さよならガールフレンド」をカートに入れてホッと一息吐きました。まア私にそういう行動をとらせてしまった作品です。マンガとしての構成が非常に新鮮で、一話一話が短い会話で進んでいくのがとってもリズミカル。68にもなるジイサンの私が、このアホに近いような女学生の軽い会話にイチイチ「共感」を憶え、頷いてしまうのはドウイウコッチャ!?と困惑しつつ、それでもクスクス笑いながら読み進んで、「重い話なのに悲惨にしない」最終話で脱帽しました。50ページそこそこに、よくこれだけの「世界」がユッタリ詰め込まれているものだと感心します。 (追記)この文章を書き終えたら、また気分が高揚してしまい、たった今、新刊「低反発リビドー」を注文しちゃいました。困ったモンだ。(東京都・みなもと太郎)

(東京都・ウチヤマユージ)

(東京都・ココノツ)


●才能がない、時間がないと言って漫画を描かなくなってしまったたける。ある日、迷い込んだ世界で見つけたのは、子どもの時によく描いていたうさぎの家族で…!? 絵本の中の世界のような温かさと面白さが溢れる作品です。素直な心で夢を追いかける勇気をもらいました。(埼玉県・城谷)

●昔はただただ絵を描きお話を作ることが楽しかったはずなのに、大人になって仕事が忙しくて描かなくなって描けなくなったたけるくん。彼のまよいこんだ世界の住人は形はいろいろだけれど彼が描くことをやさしく肯定してくれている。感情豊かなうさぎたちと借り物が多くとも楽しい世界は生き生きとして、小さな頃のたけるくんが夢中で描いたのだろうと思う。毎日に疲れて漫画が描けないときに読むと、よし描こうと元気がでる漫画。大好きです。(愛知県・あまた節)

●絵も卓越ですが、世界観がよかったです。素直にワクワク出来るというか、自分が昔描いた稚拙なお菓子の絵とかを実際食べたらおいしいとか、そういう心のくすぐりがうまい人。うさぎのお父さんが「物語の続きを描くのを待っていたよ」となげかける笑顔とか、装飾抜きでこちらの気持ちに寄り添ってきました。うさぎの子どもは近所の子で、お父さんがなんかこう昔のお世話になった恩師みたいな身近感。もちろん主人公が子供のころ描いたキャラクターだからなんだろうけど、既視感と懐かしさがハンパなかったです。出来ればもっとこの世界で暮らす続きも見たかったです。(東京都・おざわゆき)

(東京都・高野雀)

(東京都・A田)

(東京都・田中相)


●具体的で端的で叙情的なお話が温かく緻密な作画で描かれています。泣きたいのに泣けなくて、ただただ胸が苦しいです。どうしてくれるんですか。(埼玉県・むんこ)

●多くの人が、自分の夢をあきらめた過去があるだろう。私もその一人として、作中で田舎に帰る女性に共感しつつ、漫画をあきらめない主人公をまぶしく見つめる。せめて彼には、夢を手に入れてほしいと祈るように思いながら…。(神奈川県・喜多丈)

(?・Drモロー)

(埼玉県・mao)


●サイフもなにも持たないまま、何故かわたしは「夢のできる国」にいた。そこで出会った彼に、なぜか見覚えがあって…。小さな配達夫たちの可愛さに癒されながらも、夢とは感情とは…と考えさせられました。何度読んでもしっとりと語りかけてくる作品です。(埼玉県・へむ)

(東京都・双見酔)


●突然、部屋にキュートな猫耳少女が現れるという、夢のようなシチュエーションで始まりながら、ハイテンション&独特なテイストのコメディで読者を予想外の方向へと誘う面白さがたまりません。活躍の場が商業に移って久しいですが、今でも作品を大変楽しみにしています。(神奈川県・草一郎)


●一般人でも南極に行けるんですね。本作は、ご自身の南極旅行をコミカルに描いたエッセイ兼観光ガイドです。上陸の仕方、船内での事件、ペンギンの話、それに温泉体験まで! 作者紹介ページで北極圏へも旅行されたとあり、こちらも読んでみたくなりました。(埼玉県・旅の秘訣)

●まず何より今より15年前の作品というのが驚き。秘境・南極での七転八倒な体験も、著者独特の低等身の可愛い絵柄でオブラートに包み、笑いに転化する力量はさすが。エンタテインメントと実際のノウハウがぎゅっと詰まった、旅行記ジャンル同人のパイオニアによる究極の一冊。(埼玉県・股旅小僧の三太郎)


●様々な才能を持ちながら、不遇の人生を転がり落ちてゆく主人公を淡々と、そして容赦なく描き出す確かな筆致。重い重い読後感。いい漫画を読んだ!という充実感。25年も前にここまでの完成度を持ちながら、今なお貪欲に描き続けるおざわさんを私は心から尊敬している。(東京都・セオナツヨ)

(?・白井弓子)

(東京都・ココノツ)


(東京都・位置原光Z)


●不倫だとか妊娠だとか、やってる事はバカで無茶で、だけど必死で、逃げたりもすれど向き合う時には誠実で。愛すべきキャラが心地良い読後感。(奈良県・おか)

●読んだきっかけは当時、パーソナルコミックスが刊行されたこと。そこからはもうずっと、情念で物語を突き動かしていくキャラクターと、弱い者に寄り添い続ける作者の姿勢から目が離せられません。掲載作は10年以上前の作品なのに、氏の近頃の商業誌での作品ともまったく根底がズレていなくて、その「変化の無さ」を保ち続けるすごさに脱帽しています。(東京都・アイアス)


●新人教師の麻実はクラスの女子生徒の遊歩と創がキスする場面を目撃する。二人を止めようとする麻実と自分達は間違っていないと主張する遊歩と創の三人は、学校の伝統である学内裁判で決着を付けることに…。創と遊歩の自分達の感情に素直であろうとする姿勢が印象的でした。(東京都・らすく)

●小学校を舞台に、純粋に「愛」として同性愛を描いた作品。優しいユーモアとソフトな空気で包みながら非常に誠実で、深く深く染み込んで心に届く。胸が熱くなる。(奈良県・おか)

●可愛らしい絵柄に引き付けられ、セリフの一言一言にハッとさせられました。そして学内裁判で語られる、遊歩の創への「好き」の気持ちに心が温かくなりました。生徒と先生が真剣に語り合える(保護者も非常に協力的)事の出来る素敵な学校ですね!(東京都・ムツキ)

●「同性愛をテーマにした漫画」…と一言で言い表すにはあまりにも惜しい作品。新米の女性教師を主人公に据えて、眼前に広がるのは子供たちをはじめとしたキャラクターの、不器用だけれど前向きで明るい姿。瑞々しくもどこか切なくなる光景を軽妙なタッチと絶妙な台詞と構成で描いてくれるから、重いテーマでも読んでいるこっちは暗くならずに、かつ、考えさせられるのでした。(東京都・アイアス)

(新潟県・小津端うめ)


●恋愛に不得手な中学クラスメート二人のラブコメ。恋って何?好きって何?これからどうなるの?と多々悶々とするヒロインが可愛い。この純粋すぎる季節を想い出して甘酸っぱい気持ちがくすぐられる。今の犬上すくね作品の原点とでもいうべき一冊。(奈良県・舎人親王)


(新潟県・うめ)


(千葉県・ふかさくえみ)


●要は男と女のイチャイチャ漫画なんですが、ウェットにならずに甘くなりすぎずに、お互いがお互い自分勝手に言いたい事言い合ってる感がとても良いです。そして甘さはほんの控えめに、ちょろっと。その代わりブランデーキツめに入っててちょっと酔いそうな味わい。そんな大人のビター感を若い子が会話だけで出してる辺り、いいです。たまりません。(東京都・樹庵)


(埼玉県・遠田志帆)


●コマ運びと構図でグイグイ視線を引っ張られ、あっという間に作品の世界に引きずり込まれる。物凄く漫画がうまい。そしてその技巧で描かれる微笑ましい男女の関係も魅力的で目が離せない。2人それぞれの思惑があって、その中で完全な理解とは異なる出会いと関係の、切なさ、面白さも抜群。(奈良県・おか)

●昔ティアズマガジンで紹介されていた「かっこいいとこあるじゃんあいつ!!」のコマが、ずーっと記憶の中に引っかかっていて、クロニクルでようやく通しで読んだ作品です。やっぱり印象的なコマだった! のびやかなペンタッチにうっとりします。(東京都・久世番子)

(東京都・原田尚)


●老女の外見を少女に置き換えることで、老いというテーマをつかみやすい形で描いている作品。大切な人がボケていくのをそばで見た時の行き場のない切なさ、日常の何気ない一コマが持つ温かみのある美しさ、それらがぎゅっと凝縮されて描かれているこの作品が大好きです。(東京都・らすく)

●うぐいす姉妹は、ほぼ同年代。えみくりさんやおじろう組さんと仲良く旅行へ行ったり、萌え語りをしたり、修羅場を乗り切ったりしている様子がかいま見れるあとがきも含めて全部を楽しむのが同人まんがですよね、と確信した作家。『身辺雑布』が90を超えるってすごい!(東京都・素甘)

(?・シギサワカヤ)


●はじめてのコミティア、はじめての買い物。その時に赴いたのがサークル『さるさるの惑星』でした。安価な額で独特の作風をした良質な短編を次々と発表していく作者の姿に、情熱と、コミティアという場所の異質さを見た気がします。掲載作は中でも特に印象的で、一切の無駄を省いた構成の中、現実の儚さとキャラクターの優しさが際立っていて、何度もページをめくり返したのが忘れられません。(東京都・アイアス)


●ポップミュージックの歴史を漫画で再現した作品。と書くと軽くて明るそうなイメージだけど、とんでもない! 作中の戦争の描写が心にグサグサ刺さって痛いのなんの。でも、ポップな絵柄のせいか最後まで読めてしまった。物語の締めの静かな感じが、印象的でした。(東京都・森田)

●青木俊直の作品は、あまちゃん絵をはじめ、かわいい女子がヒロインの作品が多い。その中で「ロックンロール」は異質。自伝的側面が垣間見える名作です。イシデ電、岩岡ヒサエ、志村貴子、谷川史子の競作「腹ペコ戦隊はしレンジャー」のお宝カレンダーを持ってます。(東京都・素甘)

●ホハフーン、ホハーン……と双子の姉妹が満面の笑みで奏でる花摘みの歌が、心に優しくこだまします。遠い昔、笑顔と共にあった平穏な暮らしへの……これは永遠のレクイエムでしょうか。可愛らしい絵柄にかかれば、戦場もどこか一線を越えたメルヘンのよう。ポッカリと空いた空き地は埋まることのない心の空白にも思え、生けるものの生けるゆえの痛みとその哀れに、深い慈しみを感じずにはおれませんでした。ホハフーン、ホハーン……と双子の姉妹と同じく今、世界の何処かで花を摘み歌う人々に、愛のご加護と多くの祝福がありますように……。(?・CAT)

(東京都・岩岡ヒサエ)

(北海道・木野陽)


●デビュー前のオノ・ナツメを教えてくれたのは、ネットで知り合った北海道在住の女子だった。会ったこともない私に稀少なおいしい菓子をお裾分けするように、大事に、得意げに、特別に教えてくれた。オノまんがが放つ作画の線の輝きは、コミティアが育てたのだと思う。(東京都・福田里香)


●社会人の彼女と学生の彼氏が、ひたすらイチャイチャする「だけ」の4コマまんが、なんだけども。決して派手さは無いのにじっくりと楽しませてくれるのは、今やベテランの域に達した重野さんの技術なのでしょう。彼女との半同棲生活なんて経験したことないのに、ふと気付くと彼氏と同じ気持ちを持っている自分に気がつきました。(東京都・春夏冬虫夏草)


●2009年に岩手県遠野市に移住した作者が描く「3.11」。よそ者だから沿岸部の津波被害に気づかない前半と、被害を知ったが故に行動できないしたくない後半を静かなモノローグで描く。特に後半の葛藤を続ける心理描写は心をえぐる。3.11を忘れないための作品。(神奈川県・わたり羽衣)

(東京都・高野雀)


(北海道・今純子)


(神奈川県・高世えり子)


(大阪府・竹宮ジン)


●普通の女性と僧侶の間にある「宗教」「愛」「死」についての物語。過去と現在、現実と非現実が折り重なり合いながら進んでいきます。考えさせられる内容ですが、作品の暖かい雰囲気で重くなりすぎません。その深さ故、十人十色の解釈があるのではないでしょうか。(東京都・ミユキ)

●絵はちょっと癖のある感じなのですが、色っぽい表情に惹かれていきます。主人公の女性がとにかく、美人ではなさそうだし(失礼!)普通に日常を過ごしているだけなのに色っぽい! 坊さんのおじさんも存在感があります。とても現実味を感じる絵でした。おじさんで、坊さんで、即身成仏が題材。そのままだと渋いお話になりそうなのに、とてもロマンチックで胸キュンなお話でした。ぐいぐいと一直線に、ある意味幸せな結末まで持っていってくれます。思わず、小池書院から出ている単行本を買ってしまいました。(新潟県・うめ)

(山形県・詩原ヒロ)

(?・くま)


(東京都・原田尚)


●全三集延べ2000ページ近いアンソロジー、コミティアクロニクルのトリを務めるにふさわしい作品。単なるスタッフ募集漫画を超えた、スタッフ、サークル、一般等全ての参加者=灯台守達への応援歌。(東京都・米茶)



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